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ラボ訪問 平賀 健太郎 准教授

平賀健太郎准教授の写真1

病弱教育を通して学校の本質を見つめる

教員養成課程 特別支援教育講座
平賀 健太郎 准教授

 「病室から院内学級へ通う病棟の廊下を、ランドセルを背負ってやってくる子どもがいます。入院していても、元の学校と同じように通いたいとの一心からです。病気の子どもにとって、学校はそれほど大きい存在なのです」と平賀健太郎准教授はその心理を代弁します。

 本学の特別支援教育専攻には、日本でも数少ない病弱教育コースを有しており、平賀准教授はその研究者のひとりです。病弱教育は継続的な医療を受けている子どもが対象で、その病種は小児がんや心臓疾患、こころの病、怪我などさまざまです。入院中は「院内学級」に通えますが、退院後も通院治療など引き続きケアが必要なケースも多く、いわゆる通常の学校にも、病弱教育を必要とする子どもたちはたくさんいます。

平賀健太郎准教授の写真2

 平賀准教授もかつては院内学級に通っていました。「恩返しのような気持ちで研究に携わっています」と語る平賀准教授ですが、「駆け出しのころは、子どもたちの気持ちを代弁するのだと意気込んでいましたが、次第に、わたしの話すことは本当に病気の子どもたちに共通することなのかという思いが強くなり、当事者の自分と研究者の自分との間でバランスが取れず、病弱教育の対象者であったことを窮屈に感じることのほうが多かったの